第100話「皇妃ばんざい」

宇宙歴801年/新帝国歴3年の新年祝賀会の席上、ラインハルトはヒルダとの結婚と懐妊を発表した。帝国内は歓喜の声に包まれる。そして、二人の結婚式に立ち会うため、アンネローゼがフェザーンへと到着する。キルヒアイスの死から3年。姉と弟はようやく再会した。1月29日、粉雪の舞い散る中、二人の結婚式が盛大に執り行われるが、その最中に惑星ハイネセンにて国家的暴動が発生したとの報がもたらされる。

 

 

オルタンス・キャゼルヌ

声・・・松尾 桂子(母をたずねて三千里のマルコ・ロッシ、けろけろけろっぴのけろっぴなど)

 

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アレックス・キャゼルヌの妻。旧姓はミルベール。シャルロット・フィリスとその妹の母親。ヤンがエコニアの捕虜収容所参事官職を解かれてハイネセンに帰還した時に婚約者として初めて紹介され、第8艦隊司令部作戦課に勤務する直前に結婚式をあげる。この時点で23歳。父親はキャゼルヌの上官だったが、それほど栄達せず退役し、この時点では在郷軍人会の事務をしていたので、出世目当てにキャゼルヌが結婚したのでは無いことが物語に明記されている。
料理の腕前と夫をも凌駕する論客ぶりで、実質的なキャゼルヌ家の支配者である。ヤン陣営の中でも1、2を争う毒舌家であるキャゼルヌも彼女の前では精彩を欠き、娘に言い訳するのが精一杯である。また、他者の性格や行動原理を見抜く能力があり、夫からしばしば予言者呼ばわりされる。母親らしい優しさと同時に厳しさも備えており、ユリアンからヤンの訃報をフレデリカに伝える役を頼まれた時にきっぱりと拒絶し、ユリアン自身が伝えなければならないことを諭している。イゼルローン1の実力者とも言われ、夫はもちろんヤンやユリアンも頭が上がらず、シェーンコップも、ヤンの死をフレデリカに誰が伝えるか決める際には彼女が適任かもしれないなと述べている。