第88話「辺境にて」

フレデリカを政府首席、ユリアンを軍司令官として設立されたイゼルローン共和政府は、民主共和制の灯をささやかに守り続けていた。しかし、銀河帝国の自由惑星同盟併呑により、イゼルローン要塞は今や人類社会の最辺境、異端者たちの聖地となりつつあった。ユリアンは長期的な視野に立ち、帝国にも共和制の思想を浸透させていく方法を考え始めていた。そんな中、ボリス・コーネフが帝国からイゼルローンに驚くべき情報をもたらす。

 

スーン・スール  スーン.jpg

声・・・小野健一(金田一少年の事件簿の高遠遙一、スーパーロボット大戦のゼンガー・ゾンボルトなど)

本名(旧姓)はスーン・スールズカリッター(Soulzzcuaritter)。心臓発作で倒れたファイフェルに代わってアレクサンドル・ビュコックの副官となる。珍姓奇名をしばしば周囲からネタにされていたが、ビュコックからスール(SOUL)という通称で呼ばれるようになった。OVA版では「スールズカリの少佐」とごにょごにょ呼ばれて副官に任命された。その後、「スール」という呼び名を気に入り、本名として正式に改名手続きまでしてしまう。帝国軍再侵攻の際ビュコックの命でムライ、フィッシャー、パトリチェフに同行しヤン艦隊の一員となる。皇帝ラインハルトとの会見に向かうヤンの随員となり、地球教に襲われるが随員の中で唯一生還し、ユリアンからすれば彼だけでも救出できたことは、大きな慰めとなった。ビュコック、ヤンと二人の上官に先立たれたことを後悔し続けていた。また一人だけ生き残ってしまったと苦しい息の下からユリアンに訴えたが、ユリアンに励まされ立ち直った。アンドリュー・フォークとは士官学校の同期生であり、アッテンボローの一期下、ヤンの三期下に当たる。フォークについての印象をヤン達の死の直前に話している。

原作では3次元チェスの腕前が下手と評されるヤンと同レベルな人物として、パトリチェフとブルームハルトが挙げられるが、OVA版においてはスールがこれに加わっている(ヤンとラインハルトとの会見の随員として、ヤンが3次元チェスに勝てそうな相手が選ばれたと、パトリチェフから推測されている。またポプランからはビュコックの代理として選ばれたと言われている)。