第104話「平和へ、流血経由」

ビッテンフェルトがオーベルシュタインに拘束され、反感を強める黒色槍騎兵艦隊の兵士が、些細なことからオーベルシュタイン直属部隊と争いになり、帝国軍同志の一連隊規模の衝突まで発展する。ワーレンが中間に立って無言で両者を押さえつけ、大事に至らなかったが、事態は混乱するばかりであった。イゼルローン共和政府には、指導者たちの出頭を求めるオーベルシュタインからの通達がもたらされ、フレデリカはハイネセンへ赴くことを決意する。

 

ユースフ・トパロール

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声・・・なし

気難しい性格で、リン・パオと並ぶ毒舌家でさらに不平屋で、事あるごとに「なぜ俺だけがこんな苦労を強いられるのか」などとぼやくことから、ぼやきのユースフと呼ばれる。だが、前述のぼやきはまだ生易しいほうで、同時代人にとっては彼の毒舌と不平は、ぼやきで済ませるレベルではなく、リン・パオ同様に同僚の受けは良く無かった。同じ嫌われ者であるリン・パオと良いコンビと言われると、本気で怒ったと伝えられる。しかし事軍事面の才覚においては、呼吸する戦術コンピュータとも言われる緻密な理論家で、リン・パオと共にダゴン星域の会戦で帝国軍を包囲撃破する。女嫌いで有名であったが、交際していた女性がおり、通信のやり取りをしていた(あまりにも散文的な文章であったため、後年、その通信の内容を知ったヤンは「今週の努力目標」と称した)。リン・パオ同様に後に元帥に昇進し、そして同じく同盟軍に居場所が無く、幸福とは言えない晩年であった。

2015年7月

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